• No.7312
  • 菓子・甘味

げたんは (鹿児島県)

出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/getanha_kagoshima.html)

「げたんは」は、かつて米の集荷地であった横川町(現・霧島市)に集まる人をもてなすためのお茶うけとしてつくられた鹿児島の郷土菓子の一つ。この独特な名前は、泥に汚れた下駄の歯に似た見た目であったことからこのように呼ばれるようになったと説がある。また、当時は「三角菓子」とも呼ばれていいた。
濃厚な黒糖の風味が口の中に広がる「げたんは」は、生地にも、周りのコーティングにも贅沢に黒糖を使用する。鹿児島県において黒糖が甘味料として強く根づいたのは、江戸時代、琉球王国を支配していた薩摩藩が、琉球や奄美地域でおこなわれているさとうきびの栽培や黒砂糖の製造を独占し、薩摩藩の有力な財源としていたことがきっかけだと考えられている。年貢を米から、当時非常に高価だった黒糖で代納させ、黒糖を独占することで財政は一気に回復したという。一方、島民は黒糖の生産を優先せざるを得なくなったため、日々の食糧の生産に手が回らなくなり、“黒糖地獄”と呼ばれる過酷な状況をつくり出した。このような歴史を経て、鹿児島本土で黒糖が浸透し、それに伴い、黒糖を使ったさまざまな郷土料理が誕生した。「げたんは」もこうした背景から、黒糖を使った菓子として誕生し、庶民に親しまれてきたと考えられる。

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2024/5/13 18:18:49 登録 2024/5/13 18:19:06 更新

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