- No.7301
- 食品・食材
黒糖 (鹿児島県/奄美地域)
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kokuto_kagoshima.html)
「黒糖」は、とうきびを細かくカットし、圧搾機にかけて絞り出した汁を煮詰めてつくる砂糖のこと。奄美地域および沖縄県の特産品として知られる。
奄美群島は、16世紀までは琉球王国統治下に置かれていたとされ、江戸時代には薩摩藩下に入り、さらに戦後はアメリカ統治下に置かれるなど、時代に翻弄されてきた地域である。「黒糖」は非常に高級な食材であったことから、その歴史の流れの中で大きな影響を受けてきた。薩摩藩に属していた時期は、年貢を米から当時非常に高価だった「黒糖」で代納させ、薩摩藩が「黒糖」を独占した。そのため、島民は「黒糖」の生産を優先せざるを得なくなり、日々の食糧の生産に手が回らなくなる“黒糖地獄”という過酷な状況をつくり出した。また戦後は、国内産糖に力を入れるため大型の製糖工場が建設され、奄美地域の伝統的な「黒糖」づくりの文化が途絶える危機に瀕した。このように奄美地域の「黒糖」づくりも時代とともに翻弄され続けてきたが、奄美群島および鹿児島本土の食文化を底から支える甘味料として強く根づいた。
「黒糖」は蜜を多く含むため、かたまりやすく、一般的に売られているものは砕いたブロック状のものが多い。カラメルのような深いコクと風味があるため、上白糖に比べると汎用性は高くないが、その「黒糖」の風味を生かした料理が広く親しまれている。
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2024/5/13 14:43:50 登録
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