- No.7284
- 料理・グルメ
黄飯と黄飯かやく (大分県/臼杵市)
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ohantoohankayaku_oita.html)
大分県の東南部地域に位置し、豊予海峡方面へ楕円状に細長くのびる臼杵市(うすきし)。かつては、大友宗麟(おおとも そうりん)が治める臼杵藩が置かれていた。財政難に陥ることが多かった臼杵藩は質素倹約令をひき、食べ物や衣服の倹約を励行した。そんななか、臼杵藩の殿様が、贅沢な赤飯の代わりにつくらせ(当時、小豆は貴重な食材だった)、家来にも振る舞ったのが「黄飯」と「黄飯かやく」のはじまりといわれる。また一説では、キリシタン大名だった大友宗麟が南蛮貿易をおこなっていたことから、スペインのパエリアを模したのではないかともいわれている。
この華やかな山吹色のごはんは、くちなしの実を水に浸し、その黄色に染まった水で炊くことでつくられる。「黄飯」には、エソなどの白身魚や野菜、豆腐などを煮こんだ「かやく」もそえられる。
武家料理が根本にある「黄飯」に対して、「かやく」は商人たちの暮らしから生まれた。大晦日や初売りの時期、商人は多忙を極める。料理をつくるゆとりもなければ、ゆっくり食事する暇もない。そこで、大鍋一杯に「かやく」をつくって三が日を乗り切ったという。何度も鍋を煮なおしていくうちに、具に味が染みていき、まろやかな味わいとなる。身体も芯から温まる。時代が移り変わるなかで、徐々に「黄飯」をつくる機会が減ってくると、代わりに「かやく」が「黄飯」と呼ばれることもある。
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2024/5/10 15:31:31 登録
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