- No.7087
- 料理・グルメ
くわいの甘煮 (広島県/福山市)
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/42_13_hiroshima.html)
福山市の「くわいの甘煮」はだし汁、砂糖、みりんで味付けする甘めの味が特徴の煮物である。 「くわい」という名の由来は、土を掘り起こす鍬 (くわ) のような形をした葉の下に、芋のような実がなることから「くわいも」と呼ばれ、それが転じて「くわい」になったと言われる。くわいには、「青くわい」、「白くわい」、「吹田くわい」の3種類があり、日本では主に「青くわい」が栽培されている。福山市で生産されているのも「青くわい」で、福山市はくわいの生産量が日本一である(農林水産省「平成30年地域特産野菜生産状況調査」)。「青くわい」はコロンと丸い円球形で、表面が青みの強い鮮やかな藍色であるのが特徴。その美しい色から「田んぼのサファイア」とも呼ばれる。タンパク質やカリウムが豊富で、ほっこりとした食感と食べるとほろ苦さのなかに甘味が残るのが特徴である。 くわいは実から立派な芽が伸びることから「食べると芽が出る」めでたい縁起物として、おせち料理や祝いの席で、煮物にして食されることが多い。福山のくわいもおせち料理の食材としての需要が高いため、出荷時期は11~12月に集中している。 福山は瀬戸内の温暖な気候で日照量が多く、もともと青くわいの生育に適していた。明治35年頃、現在の福山市千田町の沼地に自生していたものを、福山城周辺の肥沃な堀に持ってきたのが栽培の始まりとされている。また江戸時代、福山藩が芦田川の水を新田に送るために網目状の用水路を増設し、多量の水を確保することができる環境にあったのも、くわい栽培が盛んになった理由の一つと考えられる。
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2024/5/6 13:17:11 登録
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