- No.7080
- 料理・グルメ
八寸 (広島県)
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/42_3_hiroshima.html)
「八寸」は安芸門徒(広島県西部地方の浄土真宗門徒)の多い地域で食された、山の幸と海の幸を組み合わせて作られた煮物である。 名前の由来は、盛りつける漆器の直径が八寸(約24センチ)ということからという説や、「8種類の=多くの」材料を使っているからという説がある。「お八寸(おはっすん)」とも呼ばれる。 かつては祭りや正月、法事など冠婚葬祭で人が集まるときには魚屋さんを自宅に招いて刺身などを用意する風習があり、そのときに魚の「あら」と、家でできた野菜を煮込んだのが始まりと言われている。祝儀不祝儀問わず作られるが、「祝儀の時は具の種類を奇数にし、器は朱色のものを使う。鶏肉や魚のあらなど動物性のものを入れる」「葬式や法事など不祝儀の時は具の種類を偶数にし、黒の器を使う。動物性のものは入れず厚揚げや油揚げで代用する」など、地域により決まりがある。 日本料理の会席料理や懐石料理にも「八寸」と呼ばれる料理があるが、広島の「八寸」とは異なるもの。会席料理では、先付けのあとに出す前菜を指すことが多く「前八寸」ともいう。懐石料理では、料理がひと段落したあとに酒のつまみとして出される動物性と植物性の2~3品の料理を「八寸」と呼ぶ。 また同じ地域の郷土料理である「煮ごめ」と比較されることがあるが、「煮ごめ」が動物性のものを入れない精進料理で、親鸞上人が好きだったという小豆を入れるのに対し、「八寸」は魚介類や鶏肉などを入れて煮込むものであり、小豆は入れないという違いがある。また野菜の切り方にも差がある。
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2024/5/6 13:06:58 登録
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