- No.7079
- 料理・グルメ
ワニの刺身 (広島県/備北地域)
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/42_1_hiroshima.html)
「ワニ」と呼ばれているが、実際食しているものは「サメ」である。「フカ」ともいう。中国地方の山間部では「サメ」のことを「ワニ」と呼ぶ古語があり、古事記の神話「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」に登場するワニもサメのことだと考えられている。 江戸時代、日本海側の商人からサメがこの地域に持ち込まれた記録がある。サメはアンモニアを多く含むため日持ちし、半月ほどは刺身で食べられることから、明治30年代後半から島根県の漁民が運んでくるようになると、家庭でも刺身で食されるようになった。交通が発達していない時代、海から離れた山間地域では新鮮な魚介類は入手しづらく、サメが重宝されていた。日にちがたつとアンモニアの臭いが強くなることから、臭いを消すためにしょうがしょうゆで食べることが多い。また砂糖しょうゆで食べる家庭もあった。 おもに秋祭りや正月、祝い事などのハレの時に食されるもので、三次市には「ワニを腹の冷えるまで食べてつかあさい」という、古くからのもてなしの言葉がある。三次市を中心とした広島県北部で食されるサメ は約20種であるが、おもにネズミザメ、アオザメ、シュモクザメなどがある。種類により肉の色が異なり、赤みが強いものは「カジキ」に似ていて脂肪分が少なく、肉質はやわらかく淡泊である。その味から、三次市ではサメのことを「三次カジキ」、庄原市西城町では「西城マグロ」と呼ぶこともあった。年間通して漁獲されるが、秋から冬は身が引き締まりよりおいしい。
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2024/5/6 13:03:52 登録
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