- No.6968
- 料理・グルメ
山椒の佃煮 (兵庫県)
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/40_15_hyogo.html)
山椒は香辛料の一種で、日本料理の味付けに多く使用されている。平安時代に中国から渡来したと言われ、魏志倭人伝や古事記などの資料に記載されていた。現在、市場に出回っている山椒は朝倉山椒がほとんどであり、有馬山椒は非常に少ない。醤油、酒、みりんなどの調味料で煮た佃煮は、山椒の代表的な食べ方となっている。
朝倉山椒は、養父市八鹿町朝倉を中心に栽培されている山椒で、木にはトゲがなく、大きな粒で香りがいいものが成る。名前の由来は、八鹿朝倉村の豪族朝倉氏と産地名による。江戸時代には幕府への献上品とされていた。昭和40年頃までは、家庭で朝倉山椒を佃煮にしてよく食ベられていたが、昭和50年代以降、香辛料の需要が増し、加工販売が盛んになった。平成29年には内閣府、農林水産省などが後援する「ふるさと名品オブ・ザ・イヤー」の「自治体が勧める まちの逸品部門」で最優秀賞に選ばれている。
有馬山椒は、有馬地方に自生しており、特徴は、朝倉山椒と違い、枝に鋭いトゲがある。また、柑橘系の香りが豊かで、強い辛みがある。日本料理では有馬山椒を加えて辛みを出した「有馬」と名前がついた料理が多くあるが、現在、多くの料理に使われているのは朝倉山椒となっている。昭和40年代半ばぐらいまでは有馬の家庭では天然の有馬山椒を使った食文化が残っていたが、現在、絶滅の危機に瀕している。これは、有馬山椒の木のありかを知っている住人らが他人に明かさなかったため、地域の外に広めることができなかったことが一因とされる。しかし、平成21年に、有馬山椒の伝統を復活させるプロジェクトが始まり、有馬の山中を歩き、野生の山椒の木を見つけ、平成25年には農家で生産を開始し、取組みが拡がっている。
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2024/5/1 16:12:55 登録
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