• No.6879
  • 料理・グルメ

雑煮 (三重県)

出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/zouni_mie.html)

三重県は東と西の文化が混沌としている全国でも特殊な地帯である。畿内を守る伊吹山系と鈴鹿山系といった城壁と三関止めで、東の簡略化文化の西への流れはブロックされて南下し、伊勢平野に急速に影響を及ぼした。東紀州地域には帆船の時代に海の道から東の文化がもたらされた。本来、律令の時代からの風土の違いで分類されていた四つの国の三重県に東西の文化が混淆して根付いた。一方、2千年の伝統がある伊勢神宮の関係から御饌の志摩国や伊勢湾内の離島に古来の文化も残った。こうした複雑さは、節会の雑煮に古今東西の混淆文化圏として受け継がれた。
雑煮でいえば、餅の形状である。峠越えで伝播してきた公家文化の西の丸餅の所に、簡略化された武家文化が成熟すると東の角餅(熨斗餅)は西に急速に波及するも、伊吹山系と鈴鹿山系の山並みでブロックされて南下し、三重県に入り込んで混淆地帯になった。さらに、地域によって湯炊き、水炊き、焼き餅が見られる県である。粟餅と白餅を入れた金銀餅もある。今では姿を消したが昭和初期までは餅なし正月の小豆汁文化も離島では受け継がれ、その名残の湯がいた小餅に小豆あんを付けて食べる風習が今も残っている家がある。

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2024/4/27 13:28:53 登録

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