- No.6785
- 料理・グルメ
いとこ汁 (石川県)
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/itokojiru_ishikawa.html)
石川県では、秋の伝統行事の一つに「報恩講(ほうおんこう)」がある。これは、浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の忌日にあたる11月28日におこなわれる伝統行事である。寺院や檀家に集まり法話を聞いたあとに食べる食事を「お斎(とき)」と呼び、報恩講に集まった客人たちに振る舞われる。
報恩講の食事に欠かせないのが、「いとこ汁」である。これは、小豆や豆腐を中心に各種野菜をゆっくり煮こんで味噌汁風に仕立てた汁物である。小豆は親鸞聖人の好物。法会に参加した人たちは「いとこ汁」を食べながら、親鸞聖人への御恩を報いるという。 能登島では「小豆汁」ともいう。
「いとこ汁」というユニークな名前の由来は諸説ある。旧暦12月8日に正月の準備をはじめる「御事始(おことはじめ)」に食べられていた「おこと汁」がいとこ汁になったという説や小豆と豆腐などの材料が“いとこ関係”にあるためとも。地域によっては、大根やごぼう、芋などの根菜を“いとこ”としている場合もあり、解釈は個人によって地域によってさまざまである。
報恩講の料理には、「いとこ汁」に似た「いとこ煮」もある。これは小豆と根菜類をじっくり煮こんだもの。7日間かけてごぼうを炊き上げた「七日炊きごぼう」なども食べられる。
山口県や山形県などにも「いとこ煮」があるが、調理法や材料に共通点が少なく、おもむききが異なる。
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2024/4/23 9:31:38 登録
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