• No.6784
  • 料理・グルメ

べか鍋 (石川県/沿岸部)

出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/bekanabe_ishikawa.html)

降雪はあるものの冬の気温は適度に低く、夏は高温多湿になる石川県。独特の気候風土を生かして根づいたのが発酵食文化である。たとえば、「日本三大魚醤」の一つに数えられる「いしる」。スルメイカの内臓をおもな原料としているが、マイワシやウルメイワシ、サバ、アジなど使う材料は地域によって多彩に展開する。また、すしの元祖ともいわれる「なれずし」や加賀料理の代表格「かぶらずし」も発酵を活かした郷土料理である。
イワシをぬか漬けにしたコンカイワシも石川県の伝統発酵料理として根づいている。冷蔵技術がない時代、大量にとれるイワシの保存手段として広まったという。ひと昔前は、食糧のとぼしい冬の山村地域には欠かせない保存食だった。
ぬかをつけたまま焼いたり、ぬかを水で洗い落して刺身にして食べたりする。塩分が多いので、ご飯のおかずにはもちろんお酒の肴にも良く合う。
能登地方では、このコンカイワシを使った「べか鍋」が古くから親しまれている。コンカイワシや塩漬けした白菜やきのこなどと粕煮にした鍋料理。イワシは大衆魚のため、庶民の間では「今日も食べっか」「明日も食べっか」という会話がよく交わされたといわれ、それが「べか」の由来になったといわれている。能登中部では「かぶし」、「ドボヅケ」とも呼ばれている。
帆立貝を容器の代わりに使った、「コンカイワシの貝焼き」は一人用の鍋料理として人気。能登地方ではないが、県南部の白山市ではコンカイワシと漬物を煮こんだ「イジイジ鍋」が食べられている。

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2024/4/23 9:31:08 登録

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