• No.6776
  • 菓子・甘味

五色生菓子 (石川県/金沢市)

出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/goshikinamagashi_ishikawa.html)

石川県は古来より餅を食べる文化が根づいている土地である。たとえば、能登に伝わる「ねんねだんご」。「ねんね」とは赤ちゃんのことで、産後の母親に良いお乳が出るように与えた郷土料理である。紅白2色のだんごをすまし汁や味噌汁の具に使われるほか、ぜんざいなどのデザートとしても食べられている。また、北海道から能登の小木地区に伝来したといわれる「べこ餅」は、端午の節句や春の祭りに欠かさず食べられている。
そのほか、「あぶり餅」や「ひっぱり餅」、「とびつき餅」、「とち餅」……など県内各地で、1年を通してさまざまな餅料理が食べられている。
加賀藩の城下町としての歴史をもつ金沢市で食べられているのが、「五色生菓子」である。慶長6年(1601年)、二代目将軍・徳川秀忠の息女にあたる珠姫(たまひめ)が前田利常に輿入れした際に、加賀藩の御用菓子士の樫田吉蔵が献上したとされている。樫田はとくに容器にこだわり、五重の菓器におさめて奉納したという。
菓器におさめられた五種の生菓子は諸説あるが、それぞれが森羅万象を意味している。赤色の米粉を餅の半分にまぶした白い丸餅は「太陽」を、白くて丸いまんじゅうは「月」、黄色の餅米をまぶした丸餅は「山」、こしあんのはいったひし形の餅は「海」、蒸しようかんは「里」を表したもの。これにより、天地自然のすがた「日月山海里(じつげつさんかいり)」が完成する。

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2024/4/22 15:11:07 登録

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