- No.4492
- 料理・グルメ
菜どうふ (宮崎県/県北地方)
椎葉村は九州山地の中央部に位置し、かつて壇ノ浦の合戦に敗れた平家残党の追討にまつわる鶴富姫と那須大八郎の悲恋物語の伝説のある村である。食生活の中でもそのなごりとみられる京料理を思わせる珍しい豆腐料理が残っている。
季節の野菜や花を刻んだものを豆腐に閉じ込めた菜豆腐は、椎葉村に伝わる料理。お祝い事などの行事の際に、来訪された方々へ豆腐と小さなお餅を振舞う風習がある。栄養価の高い豆腐に野菜を混ぜるので、さらにバランス良く栄養が摂取できる。また、菜の花などを加えれば、季節の"旬"が感じられ、彩りも良い。
椎葉村では、菜豆腐を食べるだけでなくまじないにも使い、正月を迎えると、家の壁に串に刺した菜豆腐をかけ、その年の無病息災を祈願する。
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/nadoufu_miyazaki.html)
椎葉村は熊本県と境を接する山間部にあり、平家の落人伝説が残る静かな村である。この村では、日常生活の会話に上方言葉が使い継がれており、食生活の中でも京料理を思わせる料理がある。それが豆腐料理の「菜豆腐」である。ここでは白豆腐もつくるが、四季折々の季節の香りと風味を愛で、豆腐の中に、春は菜の花、山藤の花など季節の花や、三つ葉を入れたり、秋から春にかけて自生する野沢菜によく似た「平家かぶ」と呼ばれる青菜をゆでて混ぜた「菜豆腐」をつくる。豆腐の中に花や青菜を混ぜるのは、豆腐の色合い、味、滋養補強もさることながら、豆腐の増量を目的にしており、やせた土地でも育つ「平家かぶ」を利用し、貴重な大豆を節約してきた。なかでも藤の花豆腐は、県内でも他に類をみない珍しい豆腐であり、これは、毎年5月10日前後の米の種まきの祝いの一品としてつくられる。
アクセス 107 pt
2014/7/8 19:47:44 登録 2024/5/11 9:20:20 更新
[次] → 七とこずし