- No.4408
- 料理・グルメ
お方ずし (大分県)
大分市竹中地区に伝わる「お方ずし」。その昔、農繁期に入る前の「地獄入り」に、お方(庄屋)が「頑張ろうえ」と農家の人々に振る舞った。具は煮豆と焼きアジだけ。
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/okatazushi_oita.html)
大分県は、各地にさまざまなすし料理が伝わっている。大分市竹中地区に伝わるすし料理が「お方ずし」。「お方ずし」は、すし飯に焼きほぐしたアジと甘く煮たうずら豆を混ぜて、俵方に握ったすしである。「お方」とは庄屋のことを指す。
昔、農業の繁忙期に入る前の「地獄入り」という行事で、庄屋が小作人たちに、労いの気持ちをこめて振る舞ったのがはじまりといわれる。「地獄入り」とはこれからはじまる農作業の重労働と皆が集まる行事、娯楽を意味していた。当時はごちそうといっても、魚はアジやイワシ、野菜も豆や芋しかとれなかったものの、小作人は白米を食べられるのを非常に喜んだという。
大分県は、各地にさまざまなすし料理が伝わっており、宇佐市、中津市に伝わる「物相ずし(もっそうずし)」は、木製の正方形の木枠を使ってつくられる押しずしの一種。米が非常に貴重だった時代に、皆に平等にいきわたるように生み出されたといわれている。さらに、宇佐市長洲地区には特産品の赤エビを使った「かちエビちらしずし」が、お祭りや来客時のごちそうとして振る舞われる。臼杵市(うすきし)域の郷土料理「茶台ずし」は、ネタに魚介ではなく野菜を使った握りずし。安価で手にはいる野菜をネタに使ったことがはじまりとされている。
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2014/7/8 15:06:21 登録 2024/5/10 14:15:12 更新
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