- No.4397
- 菓子・甘味
ゆべし (熊本県)
柚の木は家庭果樹として植えています。地名にも柚木(ゆのき)という地区があります。米の粉に柚の皮のすりおろし、みそや砂糖をくわえ、竹の皮に包んで蒸します。県内でも、菊池地方にも似たお菓子があります。
球磨地方のゆべしは、柚の皮にみそを詰め込んで蒸して干し、こちらは焼酎のさかなや、漬け物代わり、茶請けとして食されます。
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/yubeshi_kumamoto.html)
餅のような食感で、柚子の香りと味噌が噛めば噛むほど味わい深い素朴な郷土菓子である。「柚餅子」は全国的に見られる和菓子だが、この地域は竹の皮で包んで蒸すのが特徴。保存食として竹の皮の抗菌作用を利用している。現在は菊池市の銘菓だが、当地は古くからの米どころで、米の収穫時にできるくず米を有効利用してつくられていた。南北朝時代に栄えた菊池一族がその保存性に目を付け兵糧として用いていたのが起源とされる。現在のかたちになったのは明治時代に入ってからで、細川藩御菓子司だった津島屋又平が西南戦争の戦火に追われ、熊本の京町から菊池に移り住み、従来の「柚餅子」に改良を加えて商品化した。昭和40年代に菊池温泉の掘削があり、土産物として人気になった。
実は、名前は同じ「柚餅子」でも、柚子を使った料理の多い人吉・球磨地域には全く違った「柚餅子」がある。柚子の中身をくり抜いて容器にし、中に味噌、ピーナツ、ごま、しょうが、とうがらし、小麦粉に調味料を加えて混ぜ合わせたものを詰めて蒸すというもので、その後、ネットに入れて2週間位天日干しして熟成させたら出来上がり。昔は「わらつと」に包み、1ヶ月軒先に干していた。こちらは唐辛子の辛みがアクセントで塩分もあり、お茶請けだけでなく、球磨焼酎のつまみにもなった。保存食として、豊富に取れる柚子を無駄にしない知恵だったのだろう。
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2014/7/8 15:02:51 登録 2024/5/10 8:54:27 更新
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