- No.4356
- 料理・グルメ
博多雑煮 (福岡県/博多地区)
アゴだしにブリを浮かべるとあって、魚臭いと敬遠される方もいらっしゃるようですが、これを食べねば新年は迎えられぬという博多ごりょんさんは多いです。ブリは、ヤズ→イナダ→ハマチ→ブリと大きさによって名前が変わっていく出世魚なので、目出たい席にはよく使われるのです。
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/hakata_zouni_fukuoka.html)
「博多雑煮」に欠かせない材料のかつお菜は、博多に古くから伝わる野菜で高菜の仲間である。茎の部分がカツオ節の風味があることから、この名になったそうだ。色は濃い緑色で、肉厚の葉は縮れている。ブリは「ヤズからイナダ、ハマチ、最後にブリ」と大きさによって名前が変わっていく出世魚で、めでたい席の料理に使われるが、なぜブリを博多では雑煮入れるようになったかは、いろいろ説がある。その一つとして、博多では、嫁の里に年末「嫁さんぶりがよい」と大きなブリを一本持っていく風習があった。そのため正月のおせちの材料や雑煮に使用されるようになったともいわれている。そして、「博多雑煮」は、まるでおでんのように、具を1人前ずつ竹串に刺して準備しておくというユニークなつくり方である。
実は、この調理スタイルが生み出された背景には、福岡の歴史が深く関わっている。昔から、博多商人の町として知られていた福岡だが、そんな彼らを支えたのが、“ごりょんさん”の存在。ごりょんさんとは、貴人の妻への敬称「御寮人(ごりょうにん)」に由来し、博多商人のおかみさん達をこう呼ぶ。来客も多く、商売に忙しい商家では、雑煮の準備にも手間をかけてはいられない。そこで、思いついたのが、前もって具を1人分ずつ串に刺しておくこと。こうしておけば、後は具材を串から抜いて、椀に入れ、最後に出汁をかけるだけで良いので、年始の挨拶に来る大勢の客人にも、手早く振る舞える。忙しいごりょんさんたちのアイディアである。
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2014/7/8 9:38:23 登録 2024/5/7 14:18:39 更新
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