• No.4188
  • 料理・グルメ

かてめし (埼玉県/秩父地方)

米が貴重だった頃、かさ増しするために野菜の煮物を混ぜたのが始まりです。節句や七夕、来客時など、行事食として県内で広く食べられてきました。地域によって、混ぜ込む野菜に特徴があります。

出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/33_6_saitama.html)

秩父地方を中心に埼玉県の郷土料理として定着している「かてめし」。特に米の生産量が比較的少ない地域で、ご飯の量を増やすために具材を加えたことからできた料理とされる。稲作に不適な地域では米を主食とすることが難しく、また稲作に適した地域でも、小作農にとって米は地主への地代として貴重な換金作物であった。そのため、冠婚葬祭用の米を取り分けたら残りは売ることが多かったと言われている。余ったくず米のかさを増やして食すために、大根やイモなどの味付けをして煮た野菜を加える料理ができた。埼玉県北部の給食で提供される「かてめし」は酢飯に地域の食材を混ぜ、さいたま市などの南部では、ご飯や薄茶飯に里芋の茎を乾燥させた「ずいき」を使った具を混ぜ込む。秩父地方でも、ご飯に「ずいき」を入れるのが定番。地域や家庭によってご飯の味や具材が異なるのが特徴だ。「かてめし」は家庭料理として親しまれているが、農家にとってハレの日の調味料である醤油を使っていたことから、ハレの日に食べられることも多かったことがわかる。ハレの日に食す飯物としては、五目ちらしよりもよく作られたとされる。特に都市部では、すしと同じようにハレの日に食べられていた。

2014/7/7 15:18:17 登録 2024/4/16 10:23:34 更新

アクセス 129 pt

かてめし

[次] → 行田フライ

ページの先頭