• No.4090
  • 料理・グルメ

はっと汁 (宮城県)

小麦粉に水を加え,耳たぶ程度のかたさになるまでよく練り、適当な時間(季節により異なります)寝かせる。そして、その熟成した生地を、指で薄く延ばしながら醤油仕立ての汁に入れ茹であげます。また、お湯で茹でて、あずき、ずんだ、ジュウネン(エゴマ)などに絡めたりもします。ツルツル、シコシコの食感がやみつきになる郷土料理、それが「はっと」です。

出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/hatto_jiru_miyagi.html)

はっとは、県北一帯で食べられている、小麦粉を使用した郷土料理。小麦粉に水を加え、耳たぶ程度のかたさになるまでよく練り、適当な時間寝かせ、指で薄く伸ばしてゆでる。かつては向こうが透けるほど薄く伸ばすのが女性の得意技であった。
登米地方、栗原地方では「はっと」や「はっとう」、玉造地方では「つめいり」「つみれ」、そのほかの地域では「ひっつみ」などと呼ばれている。食べ方は餅のように多様で、汁物にした「はっと汁」のほか、あんこやずんだ餡などと和えることもある。
その歴史は古く、400年前の藩政時代にさかのぼる。伊達藩でも有数の米どころだった登米地方では、「買米制」によって年貢を納めた後の米も藩に献上していたため、農民は満足に米を食べることができずにいた。知恵を絞った農民たちは、麦飯のほか、畑でつくった小麦を粉にし練ってゆであげ「はっと」として食べていた。当初「はっと」は米の代用食であったものの、長年の工夫でより美味しい食べ物となり、好んで食されるようになった。ところが、登米地方を治めていた領主は、農民が米づくりを疎かにするのではと心配し、この料理をハレの日以外に食べることを禁止「法度」するようになり、それ以来「はっと」と呼ばれるようになったともいわれている。
「はっと汁」の出汁や具材は、登米地方の中でも地域や家庭によりさまざまである。出汁はカツオ節、煮干し、具材は季節の野菜やきのこ類、鶏、豚など、代々母から子へ受け継がれる家庭の味となっている。
現代でも、四季を通じて地域の行事には「はっと汁」がふるまわれる。

2014/7/4 18:26:39 登録 2024/4/5 15:14:25 更新

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