• No.4041
  • 料理・グルメ

氷頭なます (岩手県)

鮭の頭の軟骨を氷頭(ひず)といい、それを薄切りにして大根にんじんと酢の物にしたもので、透明でコリコリした歯触りが好まれます。
正月の酢の物として、酒の肴として喜ばれ、「いくら」を入れると一層おいしく豪華です。
寿司ネタとしても有名。

出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/28_12_iwate.html)

岩手県は、秋鮭の水揚げが本州トップクラス。特に津軽石川は宮古湾最奥部に注ぐ清流で、鮭の遡上する川として有名である。この地域で獲られる鮭の雄は、11月中旬~1月下旬に産卵の時期が近づくと口先が曲がり、「南部鼻曲がり鮭」と呼ばれる。江戸時代には南部藩の重要な財源で、昔から県民に親しまれており、現在は「県の魚」に制定されている。
「氷頭」は鮭の頭の軟骨のことで、平安時代前期に朝廷から出版された「延喜式」(926年)の中にも、氷頭が朝廷へ奉納されたという記述があるほど、古くから食されているものである。
「氷頭なます」は氷頭をなますにしたもので、正月料理に欠かせない酢のものである。一匹からわずかしかとれない貴重なもので、珍味として珍重されている。
鮭はエラ以外のすべてを食べることができる魚であり、鮭が豊富だった頃には丸ごと一匹購入し、各家庭でそれぞれの部位を使った料理をしていた。その食べ方の中でも「氷頭なます」は、海からの恵みを余すところなく食し、自然への敬意を感じ取ることができる一品。生鮭だけでなく、新巻鮭や塩鮭の頭も塩抜きして使うことができる。こりこりとした歯ごたえが特徴だ。

2014/7/4 14:53:27 登録 2024/4/5 13:28:31 更新

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