- No.3869
- 料理・グルメ
箱ずし (愛知県)
箱の中にハランの葉を敷き、寿司飯と具を入れ、さらにハランの葉をのせ、押し蓋をする。その上に重石をのせ、しばらくおく。箱から取り出したら食べやすい大きさに切りそろえて器に盛り付ける。
昔は家族も多く、大勢の人をもてなすには、箱ずしは重宝であった。正月、盆、祭りには欠かすことのできない一品である。具は季節の魚介類、野菜等で作る。
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/hakozushi_aichi.html)
四角い木枠の中にすし飯をつめ、その上に具材をのせて、上から押してつくる「箱ずし」は、全国に存在する。「箱ずし」の歴史は、握りずしよりも古い。魚と米と塩を長期間漬け込んでつくる「なれずし」からはじまり、室町時代になると「なれずし」よりも、比較的短期間で熟成させる「半なれ」が登場したといわれる。「半なれ」は、「なれずし」と比べると、魚も米も食感が残るため、酸味がきいたごはんそのものも好んで食べられるようになる。この流れから、すし桶や木枠に塩をまぶした魚とごはんを重ね、蓋をして上から重石を置き、数日間発酵させて食べる「箱ずし」の原型が誕生したという。さらにその後、粕酢(かすず)が発明されると、各地でさまざまな食材を使った「箱ずし」が生まれることとなる。かつて米が十分に取れなかった時代、大量のごはんを用意する必要がある「箱ずし」は、非常に贅沢なものだった。
尾張地域および西三河地域中心に食べられている「箱ずし」は「切りずし」ともいい、エビやアナゴ、干ししいたけ、錦糸卵といった具材を斜めに配置しているのが特徴。これは、皆が平等にさまざまな味を楽しめるようにという配慮から考えられたものである。
使用する木枠は、5段から6段を重ねる専用の木箱でつくられる。すし飯と具材を入れた木枠を重ね、横からくさびを打ってまとめて圧力をかける。かつては木枠を持っている家庭も多かったが、現在では持っている家庭も減ってきている。
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2014/7/2 18:12:55 登録 2024/4/25 11:28:50 更新
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