- No.3681
- 料理・グルメ
てっぱい (香川県)
農繁期が終わり、秋から冬にかけてため池の水をぬいた後にとれるふなで作ったものです。
白味そ、砂糖、酢をまぜた調味料に塩もみした大根と細切りにしたふなを和えたものです。最近では、なかなか手に入らないため、「さば」や「このしろ」を代わりに使って作ることが多いです。
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/teppai_kagawa.html)
讃岐平野に点在するため池の淡水魚であるフナは鉄砲と呼ばれた。これを三枚におろし、薄切りにし、塩じめ、酢じめにして大根とともに讃岐の白味噌を用いた酢味噌で和えた鉄砲和えは、てっぱいと呼ばれ、酒の肴やおかずとして重宝がられてきた讃岐の味である。
降水量が少ない香川県では、近年まで農業用水には主にため池を活用していた。県内のため池の数は1万ヵ所を超え、県土の総面積に対するため池の密度では全国一(香川県HP)である。ため池にはフナが生息しており、農繁期が終わる秋から冬にかけてため池の水を抜く際には、フナが産卵期で、脂がのって身がしまり、淡水魚特有の臭みも少なくなってくる。昔からこれを寒ブナと呼び、海が遠い山村や農村地域の人たちの食生活のうえで、貴重なたんぱく質源となっていた。この寒ブナの味を最高に生かせる料理がてっぱいである。
フナの旬は冬である。「寒ブナ」と名付けられるほど、脂がのる上に臭みが少なく、身もしまって美味しくなる。県内では、現在も約300のため池でフナの養殖がおこなわれている。全国でもトップクラスの生産量を誇り、郷土料理として県内で出回るだけでなく県外にも出荷されている。
「てっぱい」の語源は、フナのことを鉄砲と呼んだことから「鉄砲和え」が訛ったとされる説がある。
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2014/7/1 18:47:32 登録 2024/5/6 18:19:25 更新
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