- No.3478
- 料理・グルメ
冷や汁 (宮崎県)
魚のすり身に炙った味噌、すりごまなどを合わせたものを、魚の頭や骨、昆布などでとっただし汁で伸ばし、豆腐を加え、冷えた麦飯にかけて食べる郷土料理。使う魚は様々ですが、一般的にはアジやトビウオ、カマスなどを使います。
古くは鎌倉時代の書、鎌倉管領家記録に「武家にては飯に汁かけ参らせ候、僧侶にては冷汁をかけ参らせ候」と記されていました。これが全国に広まりましたが、特に夏の厳しい宮崎県の風土に適して郷土料理として定着するようになりました。
現在でも宮崎県の家庭では一般的に食されています。
宮崎地方、特に農村部でよく食べられる即席のかけ汁です。もともとは焼いた味噌を水で溶いて、畑にあるきゅうりや青じそ等を刻んで浮かべ、麦飯にかけて食べていました。農繁期など忙しい時期に手間をかけずに食べられるように工夫されています。今では現代人の口に合うように、旬の白身魚を焼き、その身とごま、味噌をすり鉢ですり合わせ、丹念に焙って香ばしい焼き味噌に仕立て、それをだし汁で溶き、冷たくひやし、青じそ、きゅうり、豆腐をいれ、熱い麦飯にかけていただきます。
「宮崎冷や汁」は、焼いてほぐしたカマスやアジなどの白身魚や青背の魚を味噌に加えて、冷たいダシでのばし、シャキシャキ食感のキュウリや薬味などの具材を入れて仕上げた汁で、鎌倉時代の文献にも載る宮崎の伝統料理。
熱々のご飯か麦飯になみなみとかけていただくと濃厚な魚の風味が広がり旨い。ランチタイムに冷や汁定食として出される店が多く、小鉢、サラダなどがついてくる店のほか、刺身やミニそばがついてくる店も。リーズナブルに伝統の味を楽しめる。
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/hiyajiru_miyazaki.html)
「冷や汁」は、即席のかけ汁で宮崎県の平野部を中心とする郷土料理である。近年は、食文化の情報が広がるにつれて県内に広がり、暑く湿気の多い宮崎県の気候風土の中で根づいていった。自然豊かで山の幸、海の幸に恵まれ黒潮に面した日向灘で採れる新鮮で豊富な魚介類、太陽の恵みを受けた野菜や作物など、美味しい食材の持ち味を生かした食べ方が「冷や汁」である。
農民たちが暑い夏に、麦飯に生味噌をのせ、それに水をかけて食べていことが元になっているといわれている。麦飯のほうも、かつては、丸のままの大麦をいったん炊いてから、水を加えてふやけさせ、それをもう一度炊き上げたものであったらしい。山地の多い宮崎県の農民たちにとって、藩政時代には、米はきわめて貴重なものだったことがうかがえる。
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2014/6/22 9:28:45 登録 2024/5/11 9:24:36 更新
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