- No.3454
- 料理・グルメ
あごのやき (鳥取県)
あご(トビウオ)を使って作られたちくわ。別名「あごちくわ」ともいわれ、鳥取の西部から島根の一部にかけて作られています。
初夏の暖かい季節に直火で作るこの料理は屋外で料理することが多く、そこから「野焼き(のやき)」と呼ばれるようになったといわれ、それが転じて「あごのやき」の名が付きました。見た目はちくわと似ているが酒やみりんなどでしっかりと下味をつけられ、いわゆるちくわとは別の味わいです。
現在は工場生産が一般的ですが、焼きの工程については職人による熟練の技術が必要です。
あごとは、トビウオのことで、のやきはちくわを大きくしたような形をしている。トビウオは回遊魚で、山陰沿岸には産卵のために5月~7月にかけて来遊します。漁獲シーズンは刺身でも食べ、のやき、かまぼこ、あごだしなどに加工されている。昔から庶民的な食べ物として、酒宴の肴にはなくてはならないものであった。
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ago_chikuwa_tottori.html)
普通のちくわの主な原材料は、スケトウダラ・サメ・ホッケなどだが、「あごちくわ」はトビウオを原材料にしてつくられている。鳥取県ではトビウオのことを「あご」と呼ぶことから、「あご」のすり身でつくられたちくわが「あごちくわ」と名がついた。「あごちくわ」は、表面を焼いた硬めの皮がとても美味しく、包丁を入れると「パリッ」という快音と香ばしい香りが広がる。しっかりとした噛みごたえがあり、トビウオを丸ごと堪能できる。特徴は、普通のちくわに比べて見た目の色が濃い。
「あご」という呼び名は、400年以上前の文献にも紹介されており、由来は「あごがおちるほどおいしいから」ともいわれているが、その語源については分かっていない。産卵の時期を迎える春から夏がトビウオの旬。初夏の訪れを告げる味覚として親しまれている。食味は脂が少なくてさっぱりとしており、高タンパク質でヘルシーな魚である。鳥取県内のアゴ漁は、数十個の白色ブリ板を縄に付け、おびき寄せて巻きとる方法で、年間180トン近く水揚げされている。小さめで丸あごと呼ばれるホソトビウオと、大きめで角張った角あごと呼ばれるツクシトビウオがとれる。
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2014/6/20 20:21:51 登録 2024/5/5 15:59:15 更新
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