- No.3412
- 料理・グルメ
にしんの山椒漬け (福島県)
身欠にしんと山椒の葉を重ね合わせ、しょうゆと酢、お好みで隠し味に酒と砂糖を入れ、2~3週間漬けたものです。
山に囲まれた会津では、北海道で乾物に加工された身欠にしんが貴重なタンパク源でした。生魚が流通していなかった時代、日持ちする身欠にしんを先人たちの智恵により、工夫して調理され保存食として食べられてきました。
現在も、各家庭で毎年山椒が芽吹く春から夏にかけて漬け込まれ、その味と風味から日本酒の肴としても人気。また、会津本郷町ではにしんを漬けるための「にしん鉢」が、伝統の技術「会津本郷焼」で作られており、古くは会津の嫁入り道具の一つとされていたとされます。
会津地方は、四方を山に囲まれている為、棒鱈、身欠き鰊、干しするめなどを使った料理が発達しました。山椒の芽ぶく4~5月頃から、鰊鉢に山椒の葉と交互に漬けこんだものです。交通の便が悪く、新鮮な魚が入手困難だった昔、身欠き鰊は山村のタンパク源、カルシウム源として欠かすことのできない食べ物でした。くせのある風味を山椒の葉で和らげ、酢を使って長期保存ができるこの伝統食は、生活の知恵から生まれた会津の味なのです。
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/30_3_fukushima.html)
福島に生魚の流通がほとんどなかった江戸時代、北海道で獲れたにしんを乾燥させて「みがきにしん」にし、道外に流通させるようになった。これが会津地方に運ばれるようになり、保存がきく、たんぱく源になるという理由から重宝されるようになったという。特に福島は冬が長く、作物のとれない時期が長いために保存のきく食べ物が好まれていた。みがきにしんは馴染み深い食材となり、「にしんの酢漬け」などの郷土料理が作られるようになった。
みがきにしんに山椒の葉をかぶせ、醤油や酢、酒で味付けをする「にしんの山椒漬け」もまた、みがきにしんを使った料理の一つ。会津若松周辺でよく食べられており、「にしん鉢」と呼ばれる山椒漬け専用の器があるほど慣れ親しまれている。みがきにしんの大きさに合わせた長方形の器で、会津本郷焼きで作られているという。
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2014/6/20 19:41:01 登録 2024/4/9 10:18:21 更新
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