- No.7120
- 菓子・甘味
夏みかん菓子 (山口県/萩市)
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/43_28_yamaguchi.html)
都道府県を代表する郷土の花を選定する県花。山口県は、長門市大日比が原産の夏みかんが選ばれている。夏みかんは、5月に甘酸っぱい香り漂う白い花を咲かせ、その後だいだいと呼ばれる黄色い実をつけ、実は食用としても親しまれている。特に萩市では、5月上旬に収穫を行い、ゼリーやジュース、ジャムなどに加工したお土産が販売される。萩に夏みかんがもたらされたのは文化年間の初頭のことで、ゆずの代用として使われていた。長州藩の政治経済の中心地として栄えた城下町であったが、文久3年(1863年)に萩から山口に藩庁が移ったことで、萩の町民は経済的に困窮したという。さらに、士族の給禄奉還も武士の苦境に追い討ちをかけたのだった。そんな萩の人々を救うため、新政府の要職を歴任した小幡高政が立ち上がり、廃屋同然となった侍屋敷に夏みかんの種を蒔き、苗木を士族たちに配ったという。それにより、萩の街全体で夏みかん畑が広がり、今日の名産品となった。萩では、ひとつの木に新旧の実がなることから「代々(だいだい)」と呼ばれている。「だいだい菓子」はそんな、夏みかんの皮までも大切に使ったおやつ。甘いものが少なかった時代には特に重宝され、現在も多くの家庭で作られている。
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2024/5/6 15:20:22 登録
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