- No.7112
- 料理・グルメ
くじらの南蛮煮 (山口県)
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/43_19_yamaguchi.html)
フグ食文化が根付く山口県の下関は、クジラとの関わりも古く、クジラ骨の化石の出土などからもそのことが確認できているという。特に本格的な関わりが見られるようになったのは、江戸時代のことで、捕鯨ではなく、捕鯨をする鯨組への資金提供や資財の補給、流通と消費地としての役割を持っていた。対して長門は、全国的にも早い時期から捕鯨の歴史が始まり、寛文12年(1672年に)、最初に現在の仙崎浦の「鯨突き組」が長州藩に取り立てられたことがあったほど。クジラは秋から冬にかけて日本海を南下し、暖かい南の海で出産・子育てを行うが、この時期に漁は行われた。その規模は、「鯨鱗之霊」という碑の裏面の記載でもうかがい知れ、川尻地域だけでも1698年~1910年までの約200年間に2800余頭を捕獲したことが分かる。クジラの頭数が激減したことにより、1910年の捕鯨が最後となったが、人々に繁栄をもたらしたクジラは信仰の対象になった。捕らえたクジラのお腹の中には胎児がいることもあり、向元寺には墓を健立し弔われている。また、現在でも毎年法要が営まれている。捕鯨で栄えた地域では、クジラ肉は広く食されている。中でも「くじらの南蛮煮」は、赤身だけでなく、皮の部分も使い作られていた料理。味噌仕立てで煮込んだ、暖かく、栄養たっぷりの逸品だ。
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2024/5/6 14:44:29 登録
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