• No.6886
  • 料理・グルメ

魚の漬物 (三重県/伊勢志摩食文化圏)

出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/sakana_no_tsuke_mono_mie.html)

熊野灘に伊勢湾から真水を大量に含んだ内湾の流れが合流するそこはプランクトンが多く、ここにイワシ等の小形の魚が集まり、これを食べるカツオ等の大型魚も集まる好漁場となる。そこで大量にとれた魚の保存方法として塩干物づくりが発達する。その一つとして一匹成りの各種「魚の漬物」が生まれた。サンマの呼称は「サイラ」で塩辛(塩をして魚を漬けたもの)を「しょから」と表現することから「サイラのしょから」という。一方で、志摩地方の和具地域で「わたじょから」と呼ばれる塩辛もつくられる。こちらの材料は、カツオやカマスやサワラである。カツオの内臓を使う「かつおのしょから」もつくる。これは最近まで漁に出た漁師が、とりたてのカツオの廃棄される内臓を使って、船の上でつくって持ち帰っていた。いずれにしても冷蔵庫の無い時代、大量に水揚げされた鮮魚の保存から生まれたものである。長期物は秋から冬場に漬けて春に食べる。塩辛の原理は、一方で多量の食塩による防腐と他方で自己消化酵素による旨味の生成、ならびに微生物による臭いの生成によって特有の香気を得るものである。従って、漬けあがった魚を3枚におろすと、身が透き通るような赤さを示し、非常に美しい。

2024/4/27 13:33:56 登録

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