- No.6873
- 料理・グルメ
あほだき (三重県/北勢食文化圏)
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ahodaki_mie.html)
大根は古くから食べられており、すでに日本最古の文書「古事記」や「日本書紀」にも記されているという。また、大根という名は根が大きいことから「おおね」とか、色が白く涼しげだから「すずしろ」と呼ばれていたのが、正倉院文書では「羅萄」や「大根」の漢字が使われているという。また、野菜を塩と共に付けて保存する漬物は、平城宮の木簡、万葉集、延喜式に表れているが、ぬか漬けの記載は室町時代まで下るようである。それだけ米が貴重であった証ともいえよう。また、たくあん漬けは江戸時代の沢庵禅師(1573年-1646年)が考案したとも、沢庵禅師が所属した寺を訪れた徳川家光が命名したとも、「貯え漬け(たくわえづけ)」が転じたともいわれている。
「あほだき」は、漬けた翌年の夏を越す頃になれば味や匂いが悪くなるたくあんを再利用した常備菜で、食品を無駄にすることなく美味しく食べようという知恵がみられる郷土料理。桶につけたたくあんは、取り出すごとに空気に触れ味が落ちていく。それを塩分を抜き醤油で炊きなおす料理である。ユニークな名前は、美味しい時期に食べずに、せっかくの塩分をぬいてしまうので「あほなことしてるなぁ」という意味からきているともいわれている。
なお、大変贅沢な調理法のため、別名「大名炊き」ともいわれ、他県でも福井県では「たくあんの煮たの」、石川県では「おくもじ」、富山県では「いりこぐ・いりごき」など同様の料理が見られる。
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2024/4/27 13:23:21 登録
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