• No.6862
  • 料理・グルメ

こけらずし (三重県/東紀州食文化圏)

出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kokera_zushi_mie.html)

東紀州地域では人寄せ事やおめでたい時に、型に入れて押し固める「押しずし」がよくつくられる。これを「こけらずし」というが、この名前の由来は、こけら落としの席に出されていたことや、こけらぶきの屋根のように1枚1枚ずらし重ねて具材を盛り付けたことからと言われている。材料の具材は5種類の奇数にし、彩り豊かな仕上がりとする。5種類の中に1種は必ず魚を使い、主に酢の物にしたものである。魚にはしめサバ、サンマ、アジなど、その時の旬の魚が使用される。このように押しずしが発達したのは東紀州の豊かな木材(主にひのき)を利用したすし型が発達したことによると思われる。押し型には、米一升型、五合型、三合型などといろいろなサイズがある。また最近は伝統的な型に加えて、少人数に適用するように扱いやすい小型のものや一人用、一段用など多くの型がつくられている。また尾鷲市須賀利地区で、二升半用の大きな押し型も使われている。間に敷く植物の葉は、山いちごの葉、花みょうがの葉などで仕切ると、葉のにおいや成分が染み渡り、なんともいえない香りや味がすしの味を引き立たせる。また防腐効果もあるといわれている。なお、都会でこれらの葉が入手できない場合はからし菜、レタスなどで代用すればよい。またすし型の代用は弁当箱を使用する。蓋をひっくり返してその中に盛り込み、弁当箱の身を外向けて押し蓋代わりに上から押さえる。

2024/4/25 12:48:40 登録

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