- No.6815
- 料理・グルメ
茶飯 (福井県/今庄地区)
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/chameshi_fukui.html)
「茶飯」は奈良の東大寺、興福寺などではじめられた「奈良茶飯」が由来とされ、それを宿場町であった今庄に旅人が伝承したといわれている。もともとは茶を煎じた汁で炊いた茶粥から変化したようだ。「茶飯」は主に仏事に用いられ、今庄の味として今日まで受け継がれ、現在は仏事だけでなく色々な行事の際にも食されている。昔は葬式が出ると、親類の家から、芋の子と茶飯を炊いて小判型のおひつに詰め、塩ぶき、芋の子の煮しめをそえて贈る習わしがあった。また、開祖・親鸞の祥月命日(旧暦11月28日、新暦1月16日)の前後、秋から新年にかけておこなわれる浄土真宗各派の年中最大行事を報恩講といい、福井県では「ほんこさん」や「おこ(う)さま」と呼ばれるが、その報恩講に集まった人々に、精進料理の一つとして「茶飯」を振る舞う地域もある。「茶飯」には豆入り番茶が使われるが、番茶と大豆を合わせることにより栄養価が高まり、香ばしさと、ふりかけた酒の香りを楽しみながら冬のたんぱく質をとれる、先人の知恵により生み出された郷土料理である。嫁入りした娘が里帰りの時、里の親が娘と孫を迎えるためにつくる料理の一つである。茶飯は忘れがたい「故郷の味」ともいえる。
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2024/4/24 10:16:30 登録
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