- No.6698
- 料理・グルメ
干しかぼちゃのえごま和え (長野県/北信地域)
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/hoshi_kabocha_no_egomaae_nagano.html)
「谷の都」とも言われる鬼無里(きなさ)地域には、野菜を干して保存する食文化が古くから根付いている。山に囲まれた鬼無里地域では、以前は雪が積もると外部との交通が遮断されていたため、長い冬を越すために食べ物を干して、保存して食べるようになったといわれている。野菜は干すと味も食感も変わり、栄養も豊富になる。「干す」ことは、おいしさを閉じ込めるだけでなく、余った野菜を無駄なく食べるための生活の知恵でもある。春には、山菜のぜんまいやワラビを干し、夏にはなす、なすはうすく切って干すと、肉のような食感になる。秋には、かぼちゃや切り干し大根など、様々な野菜類が保存用としてつくられている。「冬至はカボチャの年取り」といわれるように、カボチャは年を越すと、凍みてしまったり、腐ったりしてそのままでは保存できない。2、3個は冬の保存用として、干しかぼちゃにして食べた。かぼちゃを短冊状に切り、むしろの上に広げて、カラカラになるまで干す。食べる時は、洗ってゆで、ごま和えや煮物にしたり、おやきのあんにも使う。また、大根や野沢菜とりが終わると、軒先の下に縄をはり、大根菜や野沢菜をひとにぎりずつ、わらで束ね、軒下の日陰で風通しのよいところにかけて干す。冬中かけておき、食べる時、ここから外して食べていく。
長野県の干し文化には、もうひとつ、厳冬の冷え込みと冬の乾燥した気候を生かしたフリーズドライの製法がある。寒天、凍り餅、凍み大根、凍み豆腐など、外気での凍結と解凍を繰り返しながら、乾燥した気候の中で水分が抜けていく。信州の厳しい冬の自然を生かした、まさに生活の知恵から生まれた食文化だ。
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2024/4/19 13:43:31 登録
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