- No.4794
- 料理・グルメ
蛇腹大根(房切り大根)の煮物 (熊本県/南阿蘇地域)
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/jyabara_daikon_no_nimono_kumamoto.html)
蛇腹大根は、南阿蘇地域で冬の冷たい風を利用して昔から作られている干し大根。房切り大根、切りかけ大根とも呼ばれる。青首大根でも作られるが、干し大根に向く「理想大根」を使うことが多い。
切り方が独特で、大根を横にして置き、2~3mm幅の輪切りにするように包丁を入れる。この時切り離さないよう下側を5mmほど残すが、下まで切らないように菜箸を大根の脇に添えておくと良い。裏返して切り目を真下に置き、2~3mmの幅の切り目を斜めに入れていく。端まで切ると蛇腹のように長く伸びて3倍ほどの長さになる。新鮮な生の大根の切り立ては大根が硬くて伸ばすとちぎれやすいので、ざるなどに入れて干し、しなっとして吊るしても切れないようになったら竿に掛けて干す(収穫した大根を数日から1週間ほど干してから切る方法もある)。こうすると長細くなるので場所もあまり取らず、乾燥も早く進む。できあがったものは缶や瓶にいれて保存し、一年中の食べ物にした。天日に干すことで旨味や栄養が凝縮され、カルシウムや鉄分、食物繊維が増えるので、冬から春の野菜の切れ目に重宝した。調理するときは水で戻し、主に煮物や酢の物、みそ汁の具にも利用する。味が染みてパリっという独特の食感は生の大根を使うのとは、また違った美味しさがある。干し大根を戻した水も旨みがあるので使うことが多い。
阿蘇地域の煮物は、季節の野菜や油揚げ、しいたけ、こんにゃくなどを醤油や砂糖で煮て作るが、お祭りや仏事、お祝では必ず煮物を作る習慣がある。
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2014/11/5 19:02:28 登録 2024/5/10 8:49:07 更新
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