• No.4703
  • 料理・グルメ

どぶ汁 (茨城県/北茨城市)

上記のあんこう鍋の原初形態。アンコウの肝を炒め、残りの身と白菜やダイコンなどを足して具の水分だけで煮込み、味噌で調味。もとは船上調理の漁師料理。

まだアンコウが食材として一般的に知られていない頃、茨城県北部の漁師達が船上で食べたあんこう鍋が始まりである。水は使わずに、大根などの野菜や味噌と鍋を持ち込むだけで作れることが船上での調理に好都合で、何より栄養価が高かったため貴重であった。
名前の由来は諸説ある。一説には、あん肝から出る肝油で汁がオレンジ色に濁り、酒のどぶろくの様に見えることからという。また、どぶとは「全て」という意味があり、あんこうの全てを入れる事から「どぶ汁」との説もある。
本来は水を加えずに作る調理法がどぶ汁と呼ばれていたが、後述するように現在では水を加えても、あん肝から出る肝油でスープが濁る鍋ならば「どぶ汁」と呼ぶ。

従来のどぶ汁を作る場合、生のアンコウを使用するため、新鮮なアンコウを使用しなければならない。また、アンコウそれぞれに水分の出方や肝の脂が違うため、慣れた人でなければ作れない。そのため、1回作るために20分以上付きっきりになり、大衆向けに用意することは困難である。
そこで、大洗町や北茨城市を中心に、出来る限り多くの人に提供する形として改良されたレシピが用いられている。この現在のどぶ汁では、鍋で生のあん肝を炒めた後にアンコウの身や野菜をいれるほか、出汁を加える。通常のあんこう鍋と比べると、汁が濁るほどあん肝の量が多いのが特徴で、濃厚で深みのある味わいになる。水を加えないどぶ汁は大洗町や北茨城市、日立市など、常磐沖にあるごく一部の店や漁師達の家庭などでしか食べる機会がなく、高価で幻の料理とまで言われている。

2014/11/4 14:15:50 登録 2016/1/21 17:51:46 更新

アクセス 139 pt

どぶ汁の写真準備中

[次] → 鮎のなれ寿司

ページの先頭