- No.4413
- 料理・グルメ
がん汁 (大分県/宇佐市)
宇佐市内を流れる駅館川などで取れたモクズガニを使う。秋から春ごろまでがおいしいとされる、宇佐市の代表的な郷土料理の一つ。
カニは包丁でぶつ切りにした後、ミキサーで細かく砕いて、殻から身や内臓を汁の中に出す。汁に熱を加えると、タンパク質などの成分がふわふわとした固まりになって浮かび上がる。昔ながらの調理方法では、カニをつぶすのに、もちつきの石臼ときねを使う。
宇佐平野を縦断し周防灘に流れ込む駅館川やその支流で獲れる川ガニを使った、宇佐の郷土料理の1つ。川ガニの正式名称はモクズガニ(ヅガニともいう)で地元では「ガニ」と呼ぶ。ガニを殻ごとすり潰してザルで漉し、汁に塩や薄口醤油を加えて温めたところに、高菜などの青菜を混ぜ合せたすまし汁で、ガニの風味が格別。市内の和食処などで提供。ガニ入り炊込みご飯を出す店もある。
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ganjiru_oita.html)
国東半島(くにさきはんとう)の付け根に位置する宇佐市。北は周防灘(すおうなだ)に面し、南は立石山・人見岳などの標高1000m弱の山岳を望む。全国4万余社の八幡社の総本宮・宇佐神宮は、毎年多くの参拝者が訪れるパワースポットとして知られている。市内を流れる駅館川(やっかんがわ)は、ツガニ漁が有名。
ツガニとは、河川に生息する大型のカニ「モクズガニ」の呼び名で、藻屑のようにびっしりと毛の生えたハサミが特徴である。この地域で食べられている「がん汁」とは、ツガニをすりつぶして醤油風味に仕立てた汁物。そのままでは食べづらいツガニを味わうために考案されたといわれる。
昭和中期までは一般家庭でもよくつくられていたが、つがに自体の生息数が減っていること、つくるのに手間がかかることから、一部の地域を除いて、家庭でつくられることは減っている。名称については諸説あるが、カニ汁が訛って「ガニ汁」と呼ばれ、徐々に「がん汁」へと言い方が変化していったといわれている。
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2014/7/8 15:07:46 登録 2024/5/10 14:11:44 更新
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