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  • 料理・グルメ

ふなんこぐい(鮒の昆布巻き) (佐賀県/鹿島市)

佐賀県に広がる佐賀平野には、幾重にも水路が張り巡らされ、たくさんの鮒を繁殖しています。その鮒を生きたまま昆布で巻き、大根といっしょに一昼夜煮込んだものが「ふなんこぐい」です。何時間もかけて骨まで食べられるほどやわらかく煮込んだ家庭料理は、佐賀の秋から冬にかけて欠かすことのできない味です。

出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/45_1_saga.html)

干満の差が約6mあり、干潮時には沖合の5~7mにわたって干潟が広がる有明海。珍しい姿形の魚や貝などが獲れるが、冬の閑漁期になると代わりのタンパク源が必要であった。そんな、冬の間のタンパク源として重宝されたのが、川魚のフナだ。佐賀県内で獲れる淡水魚では代表的で、河川のほか、白石や佐賀平野のクリークでよく獲れる。特に農家では、秋に掘り干しをする際田んぼの水を抜くときにフナを捕まえ、長期保存できるように干していた。そんなフナを使った郷土料理で有名なのが、「ふなんこぐい」だ。「鮒のこぐい」とも呼ばれるこの料理は、昆布で巻いたフナをダイコンなどの季節野菜と一緒にじっくり煮込んだもので、姿のまま骨まで食べられるようにやわらかく仕上げる。生臭さがなく独特の風味があるので、郷土食として愛されている。佐賀県全域でハレの日に必ず振る舞われ、家庭で作るときは、大鍋にたくさん作り近隣にも配るのが習わしだ。また、鹿島市では、1月20日の二十日正月になると恵比寿様に「ふなんこぐい」をお供えし、豊漁や商売繁盛、家内安全を祈願する風習がある。「恵比寿様に供えるタイは上等すぎて一般庶民に手が届かなかったため、形のよく似たフナで間に合わせようとした」や「冬に有明海で獲れない魚類の変わりにフナが使われた」などの説が伝わっている。また、二十日正月には「ふなんこぐい」の材料を売る「ふな市」が300年以上前から行われており、生きた新鮮なフナが販売される。

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ふなんこぐい(鮒の昆布巻き)の写真準備中

2014/7/8 11:59:25 登録 2024/5/8 17:28:10 更新

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