• No.4186
  • 料理・グルメ

おっきりこみ(煮ぼうとう) (埼玉県/深谷市)

おっきりこみは、地域によって多少の差はありますが、小麦粉で作った幅広の麺を、味噌または醤油ベースのつゆで煮込んだものです。根菜類など季節の野菜を切って具にします。一般の煮込みうどん等に比べ濃厚な独特の味わいがあります。麺と具を「切って」つゆで「煮込む」ことから、もしくは「切り入れる」という意味の「切り込む」から自然発生したネーミングです。

煮ぼうとうは、具沢山で平たい麺を入れたもの。山梨名物の「ほうとう」は、味噌味でカボチャが入るが、煮ぼうとうは醤油味でカボチャを入れない。

出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/33_7_saitama.html)

稲作の裏作として小麦が多く生産されていた埼玉県では、さまざまな地域で多種多様なうどんが生まれている。深谷市を中心に食べられている「煮ぼうとう」もそのひとつで、入間郡や比企郡では「ひもかわ」や「打ち入れ」、秩父地域では「おっきりこみ」とそれぞれ呼ばれ、食されてきた。いずれも季節の野菜を入れて煮た汁に、幅広の麺をゆでずに入れ、汁にとろみをつけることが特徴で、山梨県のカボチャを入れた味噌仕立ての「ほうとう」とは異なるものだ。かつてはいろり端や鍋を家族で囲み、夕食に食べられていたケの日の郷土料理で、現在も冬に体を温める食事として家庭で作られている。また、深谷市では、地元出身で明治から昭和にかけて活躍した実業家の渋沢栄一氏も愛した料理として知られており、深谷市内の学校給食で提供されるほか、毎年、11月11日の渋沢氏の命日には、地元の公民館では「にぼうと会」が催されている。

2014/7/7 15:17:46 登録 2024/4/16 14:02:15 更新

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おっきりこみ(煮ぼうとう)

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