- No.3920
- 料理・グルメ
さばの棒寿司 (京都府)
京都には、蒸し寿司、押し寿司など、特徴的なすしが多くありますが、京寿司の代表となると、鯖の棒寿司といえるでしょう。周囲を山に囲まれ、新鮮な魚介類が手に入りにくいという地理的制約の中で、昔の人は独特の調理技術を育て上げました。
若狭湾で取れた鯖に塩をあて、京都まで十八里(約72km)の道を天秤棒を担ぎ、到着した頃には適度の締め加減になるように工夫し、一昼夜かけて運んできたのです。京の人々はこの鯖を買い求め、棒寿司を作り、祝い事や祭礼に近隣に配りました。
以下、 出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/sabazushi_kyoto.html) より
若狭湾では、サバがよくとれ、古くから大衆魚として親しまれていた。冷蔵技術が発達していなかった時代、サバは鮮度が落ちるのが速いこともあり、サバを長く楽しむための工夫が考えられた。塩漬けにした後、さらに糠漬けにする「へしこ」もサバを長く味わうための工夫の末に誕生した料理だが、酢でしめる、焼くことも保存方法の一つであった。
魚介類を若狭湾(小浜)から都(京都)へと運ぶためのルート、通称“鯖街道”で商品を運ぶ際も、サバを塩漬け、酢漬けにしたり、焼いたものを内陸部まで運んだという。そのため、鯖街道周辺では、「さば飯」や「なれずし」など、サバを使ったさまざまな郷土料理が伝えられている。
そのなかの一つが「さばずし」で江戸時代に誕生したといわれる。サバを塩漬けにして鯖街道を通って運ぶと、都(京都)に着くまでの2日から3日の間でちょうど良い塩加減になったという。この塩漬けのサバを使って「さばずし」はつくられ、庶民の間で貴重な青魚を楽しむ文化が生まれた。冷蔵技術が発達した現在においても多くの人に親しまれている。
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2014/7/3 12:47:24 登録 2024/4/2 9:21:13 更新
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