• No.2678
  • 料理・グルメ

豆腐の味噌漬け (熊本県/南東部)

豆腐の味噌漬けは、この辺りで昔から作られる「樫の木豆腐」という、固い木綿豆腐を使用。この豆腐の水抜きをしてから、特製味噌に7日~10日間漬け込む。半年間ほど味噌に漬け込んだ「山うにとうふ」もあり、ウニのような濃厚な食感が楽しめるという。

出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/toufuno_misozuke_kumamoto.html)

800年ほど前、源氏との戦いに敗れた平家の落ち武者が肥後連山の麓に隠れ住み、つくり伝えたと言われる「豆腐の味噌漬け」。山岳地帯の五家荘(八代市泉)地域や五木村では、焼き畑でつくった大豆や麦を使った自家製の豆腐や麦味噌がつくられてきた。半年ほど味噌に漬けた豆腐はチーズのような風味で、ごはんのおかずやお酒のつまみになり、物流の整っていない地域の貴重な保存食になった。八代市坂本町鮎帰地区でつくられる「かずら豆腐」は、豆腐を固める工程で重しをかけて水分をしっかり切ってつくるが、つたかずら(つる草の総称)で縛ってぶら下げて持っても運べるくらい硬いとその名が付いた。また、五木村では「樫の木豆腐」と呼ばれる、やはり大豆をふんだんに使った硬い食感の豆腐がある。味噌漬けにはこうした硬い豆腐が向いており、常温で長期保存ができるように豆腐をよくしぼり、さらに、弱火で乾燥させた後に、塩分濃度高めの味噌に漬けた。
現在は、県内各地でつくられ特産品として市販されている。「山うに豆腐」「秘伝豆銘」などもろみを使ってアレンジされたものがよく知られ、塩分を低く抑え、口当たりなめらかで味もまろやかなものが主流になった。柚子胡椒や赤唐辛子を入れるなどバリエーションも多く、焼酎はもちろん、日本酒やワインなどさまざまなお酒に合う。

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豆腐の味噌漬け

2013/9/5 21:54:49 登録 2024/5/9 19:38:42 更新

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